内容
●「がん総論と抗がん剤の副作用/服薬指導について」
(株)アステム がんMC福岡 三好 英之 氏
日時
2018年10月20日 PM7:00~9:00
がん総論と抗がん剤の副作用/服薬指導について
前半は、がんの概要と薬物療法について、後半は、抗がん剤の副作用について説明いただいた。
□抗がん剤の概要
■ホルモン療法薬
性ホルモン依存性に増殖する癌細胞(がん細胞の発育をホルモンが促進しているもの)(乳がん、前立腺がん、子宮がんなど)に対し、そのホルモンの分泌・作用を抑制することでがん細胞の増殖を抑制する
■細胞障害性抗がん薬
DNAへの障害、DNA合成や細胞分裂の阻害により抗腫瘍作用を発揮する。
■分子標的治療薬
癌細胞の増殖に関与する、特定の分子に作用して細胞増殖を抑制する。
■ホルモン療法薬
ホルモン療法は、いずれもホルモン感受性陽性の場合に実施する。陰性だと使えない。
乳がんのエサはエストロゲン。エストロゲンにさらされる時間が長いほどがん化が促進されるため、脂肪から産生されるエストロゲンをとめる。
■細胞障害性抗がん剤と、分子標的治療薬との違い
細胞障害性抗がん剤・・・全てのがんに対して、がん縮小(注射がメイン)
分子標的治療薬・・・標的分子の存在するがんに対して、がん進展抑制(治らない)
分子量の小さい低分子化合物は、ほとんどが経口剤、作用点は細胞内
分子量の大きい高分子化合物は、全て注射剤、作用点は細胞外
■抗がん剤の多剤併用療法(レジメントとは)
抗がん剤治療では、多剤併用化学療法が標準的(どこの医療機関でもほぼ共通)におこなわれる。
XELOX±Bv 療法(転移性大腸癌)共通
FOLFIRI(5-FU+l-LV+CPT-11)±Bv 療法
mFOLFOX6(5-FU+l-LV+L-OHP)±Bv 療法
□抗がん剤の副作用について
■副作用と支持療法について
三大障害部位
副作用(7種)
支持療法
例えば
*出血、貧血→輸血しかない
*口内炎→氷を口に含む、ザイロリックうがいなど。はっきりした治療法なし。
*脱毛症→3週目位目までに、かつらを用意する(事前対処)
各副作用について、好発時期、症状、主な薬剤、マネジメント、セルフケア、服薬指導について大変分かり易く
まとめ、解説下さり、理解することができました。
今後増えてくると予測される患者さんに対し、対応できるよう、これから、活用・勉強していきたいと思います。