テーマ
●「食事療法」
日時
2019年7月25日 9:00~20:45
会場
笠岡第一病院 瀬戸ライフサポートセンター2F カンファレンス室 2
Lecture1 「超高齢社会のエッセンス!」~高齢者糖尿病治療:ツボとドツボは紙一重~
講師:岡山医療センター 糖尿病・代謝内科 医長 肥田 和之 先生
Lecture2 「貴方が担当している高齢糖尿病患者への栄養指導!本当に大丈夫ですか?」
講師:京都大学医学部附属病院 疾患栄養治療部 副部長 幣 憲一郎 先生
Lecture3 「糖尿病の食餌療法における意義と課題」
講師:東京都慈恵会医会医科大学総合健診・予防医学センター センター長 宇都宮 一典 先生
Lecture1 「超高齢社会のエッセンス!」~高齢者糖尿病治療:ツボとドツボは紙一重~
講師:岡山医療センター 糖尿病・代謝内科 医長 肥田 和之 先生
フレイルの診断は、握力計を一つ置いておくだけで大体のことは分かる。
握力の低下は、筋力の低下・筋肉量の減少
・糖尿病のコントロールが悪ければ、筋力が落ちる。
・フレイルの観点から言えばメトホルミンをつかえば、筋力低下を防ぐことができる。
・DPP-4 → GLP-1濃度が増えると、マイオスタチン発現を抑制して骨格筋量が増える。つまり、マイオスタチンに対して、GLP-1濃度を上げると骨格筋量の低下を防ぐことができる。
(マイオスタチンは主に骨格筋から分泌されるホルモンで、骨格筋の成長を抑制する)
フレイルに対する対策急務アドヒアランスの上から、1日1回の服用が良いのか?ケースバイケース。
薬を一歩間違えばドツボにはまる。上手く考えて使わなくてはならない。
フレイルに対する対策について分かり易く解説頂いた。
Lecture2 「貴方が担当している高齢糖尿病患者への栄養指導!本当に大丈夫ですか?」
講師:京都大学医学部附属病院 疾患栄養治療部 副部長 幣 憲一郎 先生
1.高齢者の糖尿病治療の考え方について
病状を把握して、どの治療を優先するか?
2.高齢者糖尿病の栄養管理に対する特徴
①食後の高血糖をきたしやすい。
②高齢になるほど重症低血糖のリスクがたかくなる。
③高齢者だから噛めない、硬いものは無理、という考え方は改めることが大切。
よく噛む食事を提供することが大切。→咀嚼することの大切さを伝える。
多様な食品を摂取している方は血糖のコントロールが良好
多様な食品を摂取することは、エネルギー摂取量を多くする。
3.糖尿病患者が抱える「栄養不良の二重負荷」の問題
高齢者では、肥満よりやせの方が介護になる確率が高い。
エネルギーが少ない→あまり痩せさせない。筋肉が体につくためにはしっかりしたエネルギーも必要
サルコペニアを防ぐには、体重を減らして血糖値を下げるのではなく、十分なエネルギー摂取が大切。
Lecture3 「糖尿病の食餌療法における意義と課題」
講師:東京都慈恵会医会医科大学総合健診・予防医学センター センター長 宇都宮 一典 先生
脂肪のつき方は人種差あり。虫歯や肥満も貧困が影響。
・食習慣を考慮した個別化が必要。
・糖尿病の食事療法における栄養バランスの考え方
・フレイル予防には、十分なタンパク質が必要。
・標準体重を、目標体重とした。
・現状を評価して、個別に目標体重を設定する。
・筋肉の量→データを示す。体重が増える。
・低糖質食→必ずエネルギーが低いということはない。物を見て評価することが大切。
フレイルに対する対策→早い段階から将来的なことを考えて個別化対応、柔軟性が大切。
高齢者は元気でないといけない。世界的にエビデンスを求めることができない。日本から発信する。