演題
● 「心不全治療 最近の話題」~地域連携と抗凝固療法を含めて~
日時
2016年10月13日 18:30~20:00
会場
株式会社エバルス笠岡支店 2階 会議室
講師
倉敷中央病院 循環器内科 部長 多田 毅 先生
1.心不全の病態について
心不全患者で80才~90才が全体の55%で高齢化が進んでいるため、再入院賀増加している。
入院中のイベント→急性心不全の治療における持続性(persistent)の腎機能悪化(worsening renal function;WRF)が44%
再入院を繰り返すたびに、元の状態には戻れなくて段々心機能が落ちていく→予後の悪い疾患
2.地域連携について
「フレイル」とは・・・Frailtyの日本語訳として「虚弱」「脆弱」などなど様々な日本語訳が使われてきたが、2014年5月、統一した日本語訳として日本老年医学会から提唱された言葉
心不全における、フレイルサイクルへのアプローチ→地域全体で心不全患者をみる=地域チーム医療・・・体を動かして筋力をつけると予後が良い・・・心不全地域連携の会の立ち上げ(H20.7)
心不全手帳の紹介・・・入院中にこの手帳を使ってNSをはじめ、いろいろなスタッフよりせつめいあり
連携ツールとしても活用されている。
心不全地域連携クリニカルパスという形をとっている(9月中旬から診療報酬もつくようになった)
3.薬物治療について
以前は、ACEとARBを同時に使っていたが、現在は良くないと言われている。
ACE ARB β遮断薬 抗アルドステロン症【セララ、アルダクトン】利尿薬 ジギタリス製剤
エナラプリルはゴールドスタンダートの治療薬
ARNI(LCZ696):ネプリライシン(NEP)阻害薬+バルサルタンの機能部位をひとつの分子として合成した新規化合物からなる・・・・NEPを阻害することで,ナトリウム利尿ペプチドによる血管拡張作用,利尿作用を増進させるとともに,レニン-アンジオテンシン(RA)系抑制を介した降圧と,臓器保護,血管弾性増加などプラスアルファの効果が期待されている。・・・・日本では来年から再来年発売
HPREFとHFREF (Heart Failure with preserved Ejection Fraction:HFpEF:へフぺフ)=左心室の収縮kin機能は良好。拡張機能障害あり。
(heart failure with reduced ejection fraction;HFrEF:へフレフ)=収縮率が低下した心不全
予後はどちらも同様に不良