福山大学漢方研究会2016 ー明日の治療に役立つ分かり易い漢方ー

2016.09.10

内容

● 9月のテーマ「下痢症状に対する漢方薬の使い分けについて」

日時

2016年9月9日

会場

福山大学 宮地茂記念館 9F

担当

福山大学薬学部非常勤講師                小林 宏先生

下痢症状に対する漢方薬の使い分けについて

下痢症状に対して、人参剤がいるかいらないかの使い分けについて、分かり易く解説いただいた。

食欲低下・・・人参剤の適応:四君子湯・六君子湯(茯苓・白朮・人参が入っている)

お腹がちゃぽちゃぽ

食欲あり・・・人参剤が適応しない下痢:五苓散

消化管に水の取り込みができない→血管の中に水が入ってこなくなる→口渇

腎臓に水が足りない→小便少ない

腹痛なし ・ 水あたり  

ポイント                                               

・はじめて出る方は「食欲を確認する」 食欲↓ なら 四君子湯・六君子湯

                   食欲↑ なら 五苓散

・便秘と下痢を繰り返す…人参剤の証(消化管のエネルギー不足) 

・しぶり腹…桂枝加芍薬湯が使える

・熱下痢(食中毒)…三黄瀉心湯・大黄甘草湯

 

  • 君子湯:人参、白朮、伏苓、甘草、大棗、生姜
  • 六君子湯:人参、白朮、伏苓、甘草、大棗、生姜、半夏、陳皮
  • 五苓散猪苓、茯苓、蒼朮または白朮、沢瀉、桂皮