2019年度第3回目おかやま糖尿病サポーター認定研修会

2019.09.05

テーマ

●「食事療法」

日時

2019年7月25日  9:00~20:45

会場

笠岡第一病院 瀬戸ライフサポートセンター2F カンファレンス室 2

Lecture1 「超高齢社会のエッセンス!」~高齢者糖尿病治療:ツボとドツボは紙一重~

講師:岡山医療センター 糖尿病・代謝内科 医長 肥田 和之 先生

 

Lecture2 「貴方が担当している高齢糖尿病患者への栄養指導!本当に大丈夫ですか?」

講師:京都大学医学部附属病院 疾患栄養治療部 副部長  幣 憲一郎 先生

 

Lecture3 「糖尿病の食餌療法における意義と課題」

講師:東京都慈恵会医会医科大学総合健診・予防医学センター センター長  宇都宮 一典 先生

 

Lecture1 「超高齢社会のエッセンス!」~高齢者糖尿病治療:ツボとドツボは紙一重~

講師:岡山医療センター 糖尿病・代謝内科 医長 肥田 和之 先生

フレイルの診断は、握力計を一つ置いておくだけで大体のことは分かる。

  握力の低下は、筋力の低下・筋肉量の減少

・糖尿病のコントロールが悪ければ、筋力が落ちる。

・フレイルの観点から言えばメトホルミンをつかえば、筋力低下を防ぐことができる。

・DPP-4 → GLP-1濃度が増えると、マイオスタチン発現を抑制して骨格筋量が増える。つまり、マイオスタチンに対して、GLP-1濃度を上げると骨格筋量の低下を防ぐことができる。

(マイオスタチンは主に骨格筋から分泌されるホルモンで、骨格筋の成長を抑制する)

フレイルに対する対策急務アドヒアランスの上から、1日1回の服用が良いのか?ケースバイケース。

薬を一歩間違えばドツボにはまる。上手く考えて使わなくてはならない。

フレイルに対する対策について分かり易く解説頂いた。

Lecture2 「貴方が担当している高齢糖尿病患者への栄養指導!本当に大丈夫ですか?」

講師:京都大学医学部附属病院 疾患栄養治療部 副部長  幣 憲一郎 先生

1.高齢者の糖尿病治療の考え方について

  病状を把握して、どの治療を優先するか?

2.高齢者糖尿病の栄養管理に対する特徴

  ①食後の高血糖をきたしやすい。

  ②高齢になるほど重症低血糖のリスクがたかくなる。

  ③高齢者だから噛めない、硬いものは無理、という考え方は改めることが大切。

   よく噛む食事を提供することが大切。→咀嚼することの大切さを伝える。

   多様な食品を摂取している方は血糖のコントロールが良好

   多様な食品を摂取することは、エネルギー摂取量を多くする。

3.糖尿病患者が抱える「栄養不良の二重負荷」の問題

高齢者では、肥満よりやせの方が介護になる確率が高い。

エネルギーが少ない→あまり痩せさせない。筋肉が体につくためにはしっかりしたエネルギーも必要

サルコペニアを防ぐには、体重を減らして血糖値を下げるのではなく、十分なエネルギー摂取が大切。

Lecture3 「糖尿病の食餌療法における意義と課題」

講師:東京都慈恵会医会医科大学総合健診・予防医学センター センター長  宇都宮 一典 先生

脂肪のつき方は人種差あり。虫歯や肥満も貧困が影響。

・食習慣を考慮した個別化が必要。

・糖尿病の食事療法における栄養バランスの考え方

・フレイル予防には、十分なタンパク質が必要。

・標準体重を、目標体重とした。

・現状を評価して、個別に目標体重を設定する。

・筋肉の量→データを示す。体重が増える。

・低糖質食→必ずエネルギーが低いということはない。物を見て評価することが大切。

 フレイルに対する対策→早い段階から将来的なことを考えて個別化対応、柔軟性が大切。

 高齢者は元気でないといけない。世界的にエビデンスを求めることができない。日本から発信する。